クリアファイル印刷に必要となる白版って?作り方のポイントもご紹介
2022/07/28
まずは白版について
そもそも何と呼ぶのかと言う所からだと思います。こちら白版=しろはんと呼びます。普段の生活の中ではまったく出てこないワードですね。
そしてクリアファイルにフルカラー印刷を行う場合はオフセット印刷と呼ばれる製作方法を用います。正確にはUVオフセット機による印刷です。
こちらオフセット印刷=有版印刷なのでCMYK4版の掛け合わせでデザインを再現いたします。
そうするとクリアファイルは半透明なのでCMYKのみで印刷をすると透けてしまいます。
つまりインクは透明なんです!ビックリです!
そこで白インクで下地を作ることで透けないデザインを表現します。
実際は白インクも100%の隠蔽力があるものではないので透けにくいといった所です。
ちなみに余談ですが、クリアファイルは外側と内側どちらに印刷しているでしょうか?
答えは内側に印刷をしています。
(外側印刷している企業様も僅かですがありますが殆どが弊社も含めて内側印刷です。)
そのためデザイン面を触っても印刷面を触っていません。クリアファイルの素材自体を触っています。つまりデザインが擦れて取れたり薄くなることは無いと言ったメリットがございます。
白版のデザインデータ作成方法について
デザインの考え方として、上記の透けると言った事を踏まえて白版の有り無しを入稿デザイン上でコントロールする必要があります。
全体に白ベタで不透明、もしくは白版なしで半透明といった簡易的なものではなく、全体は半透明にして必要な部分を不透明にすることや全体を不透明にして必要な部分をくり抜いて半透明にすることも可能です。
では肝心の白版データをどのような手順で作れば良いのかを解説していきたいと思います。
全面白版ベタの場合
例えば上のイメージのようにクリアファイル全体に色が入っているとします。
このまま印刷をすすめると全体が半透明のクリアファイルになります。
クリアファイルのテンプレートはレイヤーが複数あり、各社によって呼び名は異なりますが機能は一緒です。この場合【白打ち配置】レイヤーに白版用のデータを作成します。
Illustratorデータ上で白を描画しても見えません。そのため白を別の色で表現します。このあたりは紙印刷の特色版データを作成したことがある方は馴染みやすい印象です。
今回は白版を黒で表現します。
実際は、全体をベタ印刷するのであればトンボ目一杯ベタを描いてください。
一部分のみ白版を作成する場合
ここから少しですが難易度があがります。プロセスが増えますが下記にてご説明させて頂いておりますのでご確認ください。
例えばロゴ部分のみで白版を作る場合は
白版レイヤーに図形を配置します。しかし、これで完成と言う訳ではありません。
オフセット印刷は非常に高精細な印刷方法ですが有版印刷のためズレが生じます。
メインのデザインはCMYKの掛け合わせで表現するためにズレはなかなか見えませんが、白版はズレると見えてしまいます。一部のみ白版を使用する場合は、仕上がり面でズレが目立ってしまいます。
そのためカラーの図形よりも少しだけ小さくすることで【ズレても白が飛び出ない】ようにします。
ここで登場するのが【パスのオフセット】です。
オフセット数値は【-0.1㎜】です。
そうすると0.1㎜小さくなった図形ができます。(わかりやすく色を赤に変えています)
あとは、オフセット前の図形を削除し出来上がりです。
白版データ作成が出来ない場合の対処法について
その場合は、デザインの内容次第でデータ変換費が発生してしまう場合がございますが、当店にてデザインサポートのお手伝いをさせて頂きます。
その際にはどこが「透明のまま」か、どこが「透けさせたくない」かなど、明確なイメージを担当スタッフへお伝え下さい。
尚、イラストレーターで作成するトレースや写真の解像度については別ページの「トレースとは?完全データ入稿方法も一緒に解説」にてご説明させて頂いておりますので併せてご確認頂けますと幸いです。
今後もデータ作成の事項やSPツールならではの知識を、どんどん発信して参りますので装飾・ノベルティ・ウェアなど各種グッズ作成の際には、販促モールを是非よろしくお願い致します。